Mark Rothko(マーク・ロスコ)
瞑想する絵画
マーク・ロスコ(1903~1970)
ロスコはロシア系ユダヤ人として生まれ、アメリカで活動した画家。抽象表現主義の一人とされるが、本人は分類を拒否した。初期はクレーやルオーの影響を受け、1940年代後半から「マルチフォーム」や色彩の重なりによる瞑想的な画風に移行。1949年以降は長方形の帯状モチーフを微妙な明暗と色調で重ねた独特のスタイルを確立した。作品は単純に見えるが、ネイティブ・アメリカンやシュルレアリスムの要素を融合し、深い感情と精神性を宿す。1952年、MoMAの展覧会で正式に抽象表現主義の作家として紹介される。晩年は暗く静謐な色調の作品を多く制作し、死を暗示するかのような作風となった。知的かつ感情的な表現で、戦後アメリカ美術を代表する存在である。